ヨーロッパの石工師は、いったいどのような気持ちで、生涯をかけて、あのような立派な大聖堂を建て、石柱や壁に複雑な装飾をしたのか。

学生時代から舞台制作に携わり、石造りのセットや壁を模造しながら、常にこのように考えていました。 イギリスという国に住む機会に恵まれてから10年間、古建築をスケッチしながらブリテン島を旅し、 その旅は「イギリスの小さな教会」という本になりましたが、 それでもスケッチや水彩画だけでは彼らの苦節に近づくことはできないと感じていました。その流れを変えてくれたのはエッチングです。

版画制作は、ひたすら試行錯誤や過ちを繰り返しながら、版をつくりあげることから始まります。 版画という完成作品は平面かもしれませんが、このような挑戦的な過程を通して古建築の絵を完成させたとき、 ようやく石工師の気持ちに少しだけでも近づけたような気がしました。 版画では「間違い」が予想外によい結果をもたらすこともあります。手間をかけて製作した版をプレス機に通し、紙に印刷したその瞬間の意外性と感動。これは版画だけが持ち合わせる醍醐味なのです。

このような版画の魅力を広めるため、イギリス南東部に版画スタジオ「ラスヒル・プリントルーム」を設立しました。 そこでは危険な薬剤を使わないエッチングなど、ノン・トクシックによる版画のワークショップを定期的に行っています。

作品はAdam's Galleryで購入可能です。

2023  グループ展「Fundraising Art Exhibition」(St Hubert's Church, Idsworth)
2022  グループ展「Print Ink Repeat」(Denbies Wine Estate, Dorking)
2022  二人展(The Print Room)
2022  グループ展「Ochre Print Studio Summer Exhibition」(Adam's Gallery)
2022  アトリエ「The Print Room」創設
2021  グループ展「Ochre Print Studio Summer Exhibition」(Adam's Gallery)
2021  グループ展「5 Printmakers」(Oxmarket Gallery)
2019  グループ展「Summer Exhibition」(Ochre Print Studio)
2018  グループ展「Summer Exhibition」(Ochre Print Studio)
2018  挿絵 「Walk Through History: Discover Victorian London」(Ebury Press)
2017  展覧会「Hahnemühle Mini Print Exhibition」- 「Chichester Cross」Best In Show 受賞
2017  展覧会「National Open Printmaking Exhibition」入選(Bankside Gallery)
2016  グループ展「Summer Exhibition」(Ochre Print Studio)
2016  挿絵 「Carols From King’s」(BBC Books)
2016  挿絵 「See London By Tube」(Ebury Press)
2016  暖炉カバーのペインティング「Laburnum」(私邸)
2015  グループ展「Spring To Summer : 12 Printmakers」(Baker Tilly)
2015  挿絵「Bricks and Mortals」(Bloomsbury)
2015  挿絵 「The Trains Now Departed」(Preface)
2014  グループ展「Summer Exhibition」(Ochre Print Studio)
2011  挿絵 「Young Herriot」(BBC Books)
2009  挿絵 「Great British Weapons」(Ebury Press)
2008  挿絵 「The English House」(Bloomsbury)
2006  挿絵の原画展(Savile Club)
2005  壁画「The Angel Garden」(ハンプトンコート・フラワーショー)
2004  挿絵の原画展(Savile Club)
2004  挿絵「I Never Knew That」シリーズ(Ebury Press) 現在16冊
2004  舞台デザイン「Ancestral Voices」二年間にわたる全国ツアーに同行
2003  舞台制作協力「Macbeth」(Arcola Theatre)
2002  舞台デザイン「Revolving Doors」(Theatro Technis)
2002  渡英
1996  フジアール株式会社入社。テレビ、舞台、イベントなどの現場進行、デザインに携わる
1996  日本大学芸術学部ビジュアル・コミュニケーション・デザイン科卒

「YKK技術文書」(翻訳)/「Leonard Cheshire and the UK Care Structure」(翻訳) / 「ロンドン・シンフォニー・オーケストラ」によるレコーディング (通訳・協力) /「Feral Interactive」(翻訳) /「華麗なる一族」サウンドトラックのレコーディング(Abbey Road Studio)(通訳・協力) /「テーブル・マナー」(ジーツープロデュース企画の舞台)(翻訳協力)/「The Life-Changing Magic of Tidying」(Vermilion)(英語レポート作成) /「しゃかりきダブリンロケ」(tvk)(コーディネーション・通訳) /「DIVERSITY MANAGEMENT, good practice and trends in the context of the UK and the EU」(翻訳)など

Bloomsbury / Ebury Press / BBC Books / Vermilion / Preface / The Mayfair / Kensington and Chelsea / Fulham Residents' Journal / Belgravia Residents Journal / Vantage Magazine / Pell-Mell & Woodcote / Luxury London / The Yeoman's Row / The Glebe / Woodcote Park / Vision Track など